僕の知り得た知識をみんなに享受、もといみんなと共有しよう、ということでこんなシリーズを考えてみました。
コンパクトデジカメやネオ一眼(一眼レフのようでそうではない、レンズ交換不可能な見た目一眼をコンパクトにしたようなデジカメ。ここでは詳しい説明は省略させて頂きます。ちなみに、氏に譲ったものがネオ一眼にあたります)で写真を撮っている人は『画角』や『焦点距離』は聞き慣れない言葉かもしれません。
簡単に言うと、穴の開いた壁と目の距離、と考えて頂ければいいと思います。穴と目が近いほどより広角(広い範囲)の視野となり、穴と目の距離が遠いとより望遠(カメラレンズの場合はレンズによって拡大するので、人間の目のように小さくなる、ということはもちろんない)となる。
広角=画角が広い
望遠=画角が狭い
画角というのは、穴の直径を底面、目を頂点とした円錐を二次元的に見たときの、頂角の角度のこと。

画像の赤い線の角度が画角、青い線の長さが焦点距離。焦点距離に関しては、間にレンズ挟んでるから厳密ではないけどイメージ的に。
焦点距離が長くなると、画角が狭くなるのがイメージできますか?
僕の持っているズームレンズで最も高倍率なのは18-200mmの11倍ズーム。コンデジ派の方にはこの「○○倍ズーム」の方が馴染みがあるかと思います。
しかしよく考えて欲しい。いや、上記の画角の絵を見ながら想像して欲しい。
例えば、18-180mmの10倍ズームと50-500mmの10倍ズームがあるとします。
どちらも同じ10倍ズームですが、果たしてその用途まで同じなのでしょうか?
広角側が18mmということは、かなり広い範囲が写る、ということになります。が、望遠側が180mmでは少し物足りない、と感じる人もいるかもしれません(特に動物とか乗り物撮る人)。
対して広角50mmではそんなに大きな空間は切り取れません(風景写真にはあまり向かない)。が、望遠側が500mmもあるので、鉄道であろうが野鳥であろうが撮れちゃいます。
そう、同じ10倍ズームでも、カバーする焦点域によって用途が異なるのです。
で、よく見る文言があるんです。
「広角も望遠も少し足りないけど、引きの画を撮りたければ後ろに下がればいいし、寄りの画を撮りたければ近付けばいい」
この文言を見るに、
「広角が足りないのは後ろに下がってカバー。望遠が足りないのは前に出てカバー」
と言っているようにも聞こえます(というか当事者はそのつもりで言っていると思います)。
果たして本当にそうか?
ということで、本日α700とTAMRON18-200mmで実験してきました。

200mmで看板が縦いっぱいに写るように撮影。

上の写真の撮影位置からまっすぐ看板に移動し、18mmで看板が縦いっぱいに写るように撮影。
注目すべきは、看板が同じ大きさ(微妙な誤差はご愛嬌)で写っているにも関わらず、背景の広さと遠近感がまったく違うこと。
これを図で説明。

1枚目も2枚目も、看板の幅はファインダー(見える範囲)の1/3程度にも関わらず、背景のカバー範囲が段違いなのがわかるはずです。
これぞ画角マジックなのです。
そう。だから
「あー、近付くのめんどくさいや、遠くからズームしちゃえ」
なんて横着した人と足を使い近付いて撮った人では、撮った写真に大きな違いが出る、ということです。
ズームレンズってのはものすごく便利で、例えば野鳥なんか近付いた途端逃げてしまうわけですから、遠くから超望遠レンズを使って静かに撮るのが鉄則。
しかしその便利さ故に「画角」の本当の意味を知らない人が結構多く、それを知らずに横着してしまうのも初心者の方にはありがちなこと。
描写では単焦点レンズ(焦点距離が固定されている、ズームのできないレンズ。描写力はピカイチ)に敵うことのないズームレンズ。単焦点を持って足も使えば(被写体に近付いたり離れたり)、ズームレンズの便利さも色褪せてしまう。
が、単焦点ではどうしようもないのが画角のコントロール。イコール遠近感のコントロール。
広角単焦点(16mmとか28mmとか)ではどうしても遠近感のある写真になってしまいます。
望遠単焦点(中望遠である50mm以上)ではどうしても遠近感のない写真になってしまいます。
しかし18-200mmのズームレンズでは、その間のすべての画角をコントロールできます。ズームレンズの利点はここにあると思います。
何かにつけて単焦点レンズの描写を引き合いに出す人がいますが、遠近感をコントロールすることによる描写(いわゆる構図)も重要なわけです。ズームレンズだから悪いわけじゃありません。横着するのが悪いのです。
次回:
パースペクティブ(歪曲収差)について変更→絞りとシャッター速度
- 2008/10/21(火) 19:48:28|
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